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ネット出願のメリットデメリットは?導入のポイントについても解説

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ネット出願は近年、多くの教育機関で導入が進むシステムです。今や、大学受験などでネット出願システムの用意は必須といえるでしょう。

しかしその便利さや効率性の一方で、デメリットや課題も存在します。

本記事では、ネット出願の概要を説明し、メリット・デメリットを整理した上で、導入のポイントを解説します。

ネット出願の概要

まずはネット出願がどのようなものか確認していきましょう。

ネット出願とは?

ネット出願(WEB出願)とは、インターネットを利用して大学や学校の入学志願手続きを行うシステムです。

オンラインで志願者情報を提出出来る、受験料を支払えるといった特徴があります。大学の場合には以下のような流れとなっていることが多いでしょう。

  1. 1.出願情報の登録:個人情報や志望学部の入力)
  2. 2.必要書類データのアップロード
  3. 3.受験料の支払
  4. 4.必要書類の郵送(調査書など原本が必要とされるもの)
  5. 5.出願確認票や受験票の発行
  6. 6.合否確認

この仕組みは、従来の紙ベースの出願に比べて受験者・学校双方にとってメリットがあります。

ネット出願のメリット

次に、ネット出願のメリットについて解説します。

受験者の利便性向上

ネット出願の最大のメリットは、受験者が場所や時間を問わず手続きを進められることで、具体的には以下のような点が挙げられます。

  • ・24時間受付可能
  • ・データ入力による修正のしやすさ
  • ・郵送の手間を軽減(ネット出願後に必要な書類のみ郵送)
  • ・合否確認もネットで可能
  • ・受験料をクレジットカード納付可能で便利。また受験料が割引となる場合がある

学校側の業務効率化

もちろん志願者だけでなく、大学や学校にとってもネット出願には大きなメリットがあります。

データ管理の容易化

受験者情報がデジタルデータとして保存されるため、管理や検索が容易に行えます。またリアルタイムで状況を把握できます。

事務処理ミスの削減

手作業でのデータ入力や確認が減ることで事務処理ミスが発生しにくくなります。

受験料に関する業務負荷の削減

クレジットカード納付により受験料処理業務が楽でスピーディーとなります。事務処理ミスも削減できるでしょう。

受験者増を促進

受験生などにとって出願が容易になることで受験者増加が期待されます。

コストダウン

紙の願書の郵送費や印刷費の削減が可能です。

その他

ネット出願には、その他にもメリットがあります。

環境負荷の軽減

紙の使用量が減少することで、持続可能な運営に貢献できます。

認知度アップ

ネット出願導入による認知やイメージの向上につながります。

ネット出願のデメリット

ここではネット出願のデメリットを紹介します。

システムトラブルのリスク

ネット出願は、次のようなシステムトラブルのリスクがあります。

  • ・サーバーダウン、出願締切直前などのアクセス集中によるシステムダウン
  • ・ネット上へのデータ漏洩の懸念
  • ・確認メール送受信その他のシステムトラブル

システムトラブルについては後ほど事例を紹介します。

導入コスト

ネット出願システムの導入には初期費用や維持管理費がかかります。

工数がかかる場合がある

ネット出願システムの調査や予算取り、スケジュール組みなどにはかなりの工数がかかるでしょう。トラブル回避のため、余裕をもって準備したいところです。

小規模校での負担

特にコストに対して出願者数が少ない学校では、システム費用対効果が課題になります。カスタマイズの優先順位付けが必要になる場合もあるでしょう。

運用コスト

システム保守料・サポート契約費用やシステム運用体制構築のための人件費、教育訓練費なども必須です。受験料がクレジットカード納付なので、その手数料もかかります。

これらのコストは避けられないものなので、予め導入予算を確保しておくことが必要です。

その他

その他にも、いくつか注意点があります。

デジタル格差

ネットやプリンタ環境が整っていない家庭を考慮する必要性があります。パソコンでもスマホでも出願しやすいネット出願システムが理想です。

使いこなせない場合がある

操作が分かりにくい、不具合が起きやすいといったことのないシステムを導入する必要性があるでしょう。

ネット出願環境が整っていない志願者については、大学受験であれば高校でのパソコン・プリンター利用によって対応可能です。

またネットカフェの他、今ではコンビニでのネットワークプリントも普及しているので、スマホ出願さえ可能であればデジタル格差はあまり気にしなくてよいかもしれません。

大学受験のネット出願システムの場合、本人と保護者どちらが見ても分かりやすいシステムが必要でしょう。

ネット出願システムの導入失敗事例から学ぶポイント

神奈川の県立高校ネット出願システムでは、Gmailアドレスを利用した出願者が確認メールを受信できない問題が発生しました。

報告書によればGmailのセキュリティ機能が原因で、システムからのメールが迷惑メールに分類され、一部志願者に届かなかったのです。さらに、一部では受験料の二重納付、受験票の文字化け、アクセス集中時の不具合も発生しました。

この問題により、サポート窓口が混雑し、対応が遅れてしまいます。その後、注意喚起のほか、トラブルが発生した利用者へのメールアドレス貸し出しなどのサポート、原因究明と報告、システム改修などに追われました。

準備不足もそうですが、メール不具合の背景には不適切なサーバー設定、大量メール送信、DNSミス、バウンスメール処理不備、急激な送信量増加、新ドメインの低信頼性といった技術面での問題が指摘されています。ネット出願システムの運用担当者といっても、これらの複合的な問題に対応できるとは限らないでしょう。

この事例から、ユーザーサポート体制や事前のシステムテストなどの入念な準備はもちろん、導入時及びトラブル時の運用担当者向けの支援体制構築も重要だということが分かります。

※出典:令和6年第2回神奈川県議会定例会 文教常任委員会報告資料

ネット出願システム導入を成功させるためのポイント

特に神奈川県立高校ネット出願システムの失敗事例から学んでいきましょう。

システムの選定と運用計画

システム導入時は、適切な運用計画が欠かせません。

柔軟なカスタマイズ

自校の規模やニーズに合わせて選定することが重要です。

事前テストの徹底

本稼働前の負荷テスト、複数環境での操作テストを忘れずに行いましょう。

職員と志願者へのサポート

ネット出願システムの導入時は、利用者へのサポート面も重要です。

システム運用担当職員支援

システム操作やトラブル対応の研修はもちろん、システムベンダーによる強固な運用支援契約、トラブルサポート契約を付与し、余裕を持った人員体制や導入スケジュールを組みましょう。

志願者向けガイド

サポート窓口の設置やFAQ掲載に加え、チュートリアル動画を用意するのも一案です。

まとめ:ネット出願のメリットと導入のポイント

ネット出願は、受験者と学校双方に多大なメリットをもたらす一方で、システムトラブルや導入コストといった課題も存在します。

システムの動作を正しく把握し、円滑な運用やシステムトラブルへの策を講じることで、効率的で満足度の高い出願プロセスを実現できるでしょう。

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