2025/04/15
高校の生徒募集に効果的な戦略とは？生徒集客の成功事例も紹介
「高校に生徒を集客したい！」
「学生を集客するのに効果的な方法が知りたい！」
「集客に成功している学校はどのような方法で集客しているの？」
このように、生徒募集について悩む高校の広報担当者も多いでしょう。
近年は少子化が進行し、受験生となる中学生の人口も減少が加速しており、高校の生徒集客も厳しい状況にあります。
本記事では、高校の生徒募集に効果的な戦略について解説していきます。
生徒集客に成功した学校の成功事例についても紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
高校における生徒募集の重要性
総務省統計局のデータによると、令和6年10月現在の15歳未満の子どもの人口は約1383万人で、43年連続減少しています。
また、文部科学省の統計を見てみると、高等学校の学校数は、令和5年度で4,791校で、ピーク時の平成2年度の5,506校から715校減少しています。
つまり、生徒の人口の減少に伴い高校の学校数も減少しているため、高校を存続していくためには生徒数を確保することが重要です。
数少ない受験生に自校を選んでもらうには、積極的な生徒集客を行い、自校の強みや魅力をアピールする必要があるのです。
生徒募集で重要なポイント
受験生に自校を選んでもらうには、適切な方法で生徒集客を行う必要があります。
ここでは、生徒募集を行うにあたって重要な5つのポイントについて解説します。
ターゲットを明確化する
まずはどのターゲット層に向けて募集活動をするかを明確化する必要があります。
高校はほぼ全員が受験するため、ターゲットは中学生となります。
特に、近隣の中学校に通う生徒は、志望校の選択肢の一つとして自校を検討している生徒も多いです。
そのため、近隣の中学校へ訪問したり、学校説明会を実施するなどして生徒募集するのが一般的です。
また、高校受験では中学生だけでなく、保護者が志望校選択に関与する割合が高く、保護者の意見が進路に左右する可能性も高いため、保護者へ向けたアプローチも重要です。
ターゲットのニーズを把握する
アプローチするターゲット層が明確になったら、そのターゲット層のニーズを調査・分析し把握しておく必要があります。
具体的には、在校生へのアンケートを実施したり、学校説明会やオープンスクールなどで中学生や保護者への聞き取り調査を実施するなどです。
また、インターネット上でも高校の情報や口コミなどを集めたサイトなども多くあるため、そのようなコンテンツから自校が学生や保護者に持たれているイメージやニーズを調査・分析するのも良いでしょう。
オンライン広告の活用
こども家庭庁の調査によると、令和5年度の中学生のインターネット利用率は98.6％で、ほとんどの中学生がインターネットを利用していることがわかります。
また、利用目的についても「検索する」が85.5％と高水準であり、知りたい情報をインターネットで検索している点からも、オンライン広告は効果的であると言えるでしょう。
特に学区制限のない私立高校は、全国へ向けて広範囲にアプローチができるため、生徒集客の増加に繋がりやすくなります。
オープンスクールなどの参加型イベントの実施
オープンスクールなどのイベントは中学生や保護者が直接学校へ訪れるため、自校をアピールする絶好のチャンスです。
オープンスクールでは、授業体験・制服体験・部活体験などを実施し、入学後のイメージが想像しやすくなるため、ここでのアピールが重要になります。
ただし、自校のアピールがしたいが故にたくさんのことを説明し過ぎてしまうと、体験したことの印象が薄れてしまう可能性があるため、注意が必要です。
「百聞は一見に如かず」で、学校の様子や雰囲気を実際に見るだけで伝わる魅力があることも認識しておきましょう。
学校説明会の実施・工夫
近隣の中学校へ訪問し、学校説明会を実施するのも効果的です。
近隣の中学校へ通う生徒は、自校を進路の選択肢の一つとして検討している可能性が高いため、学校生活や進路情報などをアピールすることで、より興味を引くことができます。
学校説明会を実施するにあたって、生徒向け・保護者向けなど、実施する対象者によって内容を変える工夫も必要です。
生徒には授業や部活動など学校生活を中心に、保護者には学校生活に加えて進学情報についても説明することで、信頼感も増します。
また、それぞれの説明会に合わせた資料を準備しておくと、後で内容を確認しやすくなり、自校への受験を検討してもらいやすくなるでしょう。
効果的な生徒募集の方法
高校が生徒募集をする際に集客する方法は様々ありますが、どのような方法が効果的なのか悩む広報担当者の方も多いでしょう。
ここでは、特に効果的な生徒募集の方法を5つ紹介します。
ホームページ
学校のホームページは、学生や保護者が学校の情報を検索する際に必ず確認するツールです。
ホームページの内容を充実させて、より多くの学生や保護者の目を引くホームページを作成しましょう。
学校案内だけではなく、授業や部活動などの学校生活について紹介したり、進学情報を掲載するなど、分かりやすい内容にするのがポイントです。
また、オープンスクールや学校説明会の案内を見やすい位置に配置するなど、デザインを工夫すれば、より効果的な生徒集客ができます。
Web広告
オンライン上のWeb広告は、多くの人の目に入りやすく、中学生のインターネット利用率を見ても大きな集客効果を期待できるでしょう。
Web広告には様々な種類があり、主なものは以下のとおりです。
ディスプレイ広告：Webサイトやアプリ上に表示される画像や動画の広告
リスティング広告：ユーザーが検索したキーワードに関連して表示される広告
ネイティブ広告：一般記事などに溶け込む形で表示される広告
このようなWeb広告は費用が掛かるケースがほとんどのため、学校の規模やターゲット層を考慮して活用する必要があります。
特に、学区制限のない私立高校にはおすすめの方法です。
SNSの活用
XやInstagramなど、SNSを活用した生徒集客も大きな効果が期待できます。
総務省の統計によると、令和5年度の13〜19歳のSNSの利用率は90.3％、そのうち利用目的で「知りたいことについて情報を探すため」を選択した人が63.4％という結果になりました。
この結果から、中学生世代もSNSを利用して情報収集をしていることが考えられます。
また、SNSサービスの中でも、LINE（95.0％）・YouTube（94.3％）・Instagram（72.9％）・TikTok（70.0％）は特に利用率が高いため、これらを活用すれば効果的な生徒集客ができるでしょう。
また、SNSアカウントは無料で作成できるため、コストが掛からないのも魅力的です。
新聞折込・交通広告
近隣エリアへの生徒集客を行う際には、新聞折込や交通広告などの方法も効果的です。
新聞折込や交通広告は、近隣エリアの多くの人の目に触れる機会も多く、特に保護者世代の方の印象に残りやすいと考えられます。
また、これらの方法は掲載スペースが限定されるため、アピールしたいポイントや印象的な文言を打ち出すことで、見る人の興味を引く広告を作成しましょう。
チラシの配布
近隣の中学校などでチラシを配布する方法も、昔からある効果的な方法です。
近隣の中学校は、自校を志望校の選択肢の一つとして検討している生徒も多く、最も生徒集客が見込めるターゲット層と言えます。
そのため、積極的にアピールすれば印象に残りやすく、生徒や保護者のニーズに合致していれば、通学の利便性からも自校が選ばれる可能性は高くなるでしょう。
生徒が増える募集戦略のコツ
生徒集客を成功させるには、いくつかのコツがあります。
ここでは、生徒を増やすための募集戦略のコツについて解説します。
学校の独自の教育内容や特色を伝える
高校の募集戦略において重要なのは、自校にしかない独自の教育内容や特色をアピールすることです。
特に、競合校となる近隣の高校は比較対象になりやすいため、それぞれの特色を分析・比較し、他校にはない自校の強みを前面に出してアピールしましょう。
受験を控える中学生が「◯◯を学ぶならこの高校」「この高校で◯◯をしたい」と思えるような強みをアピールすることで、生徒集客に繋がります。
ただし、授業料などの費用面を強みにしてしまうと価格競争に陥る可能性があるため、必ずカリキュラムや部活動などの教育内容をアピールポイントにしてください。
学校公式SNS・Web広告の活用
近年では、学生世代もインターネットの利用率が非常に高く、SNSアカウントを運営する学校も多く存在します。
学校案内だけでなく、授業・部活などの学校生活の様子や在校生の取り組みなどをテキスト・画像・映像などで発信することで、入学後のイメージがしやすく、生徒集客にも繋がります。
また、SNSやWeb広告はオンライン上で多くの人に見てもらえるため、学区外の学生も自校に興味を持ってくれる可能性があります。
そのため、学区制限のない私立高校には大きなメリットがあると言えるでしょう。
質の高いサービスの提供
学校に生徒を集客するには、まず高校自体が質の高いサービスを提供する必要があります。
中学生や保護者は、受験する志望校を選択するにあたって、カリキュラムや進学先などを重視する方が多いです。
したがって、どれだけ広報活動を実施したとしても、学校の提供するサービスの質が高くなければ、生徒を増やすのは難しいでしょう。
広報活動を実施する前に、まずは学校のカリキュラムや授業内容などの見直しも検討してください。
卒業生の進路や活躍を紹介
高校卒業後にどのような進路実績があるのかは、受験生や保護者にとって特に気になるポイントです。
ホームページや学校案内などで、卒業生の進路や活躍について紹介するのも生徒集客において非常に重要です。
「この高校に通えば◯◯大学に合格できる」「この高校を卒業したら◯◯になれる」など、卒業後のイメージがしやすいと、学校への信頼度も高くなり、生徒集客に繋がります。
また、卒業生からの体験談なども紹介すると、より信用度も深まるでしょう。
親へ向けた学校のコミュニティーづくり
生徒数を増やすためには、保護者との信頼関係を築くことが重要です。
前述のとおり、高校受験の志望校選択における保護者の関与割合は非常に高く、保護者からの支持を得られなければ、生徒数を増やすのは難しくなります。
そのため、保護者向けの学校説明会を実施するほか、入学後も定期的な保護者会を実施するなどして、保護者間や学校とのコミュニティーを構築すれば、学校への信頼と理解を深め生徒集客にも繋がるでしょう。
また、保護者が行事やイベントなどに参加することで、ポジティブな言葉が拡散され、新たな生徒の紹介にも繋がる可能性もあります。
生徒募集の成功事例
ここまで効果的な生徒募集の方法やポイントについて解説してきましたが、「実際にどのように集客活動をしたら良いの？」と悩む広報担当者様も多いでしょう。
ここでは、私立学校の生徒集客の成功事例について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
私立学校の生徒募集の成功事例
私立高校は授業料無償化が導入され始めたことにより、人気が高まっています。
大阪府では、令和8年度より私立高校の授業料が完全無償化となることを受け、令和7年度の私立高校の専願率は35.04％で過去最高を記録しました。
しかし、私立高校の人気が高まっていても、生徒募集に苦戦している私立高校も多く存在します。
生徒募集に成功している私立高校が実施している集客戦略には、以下のような方法があります。
- ・Instagram・TikTokなどのSNSを利用して教員・行事・部活動について紹介する
- ・オープンスクールなどの体験型イベントで在校生の声を聞く時間を設ける
- ・パンフレットなどで他校との差別化を図ったアピールを行う
- ・進学実績についてアピールする
- ・説明会を複数回実施し、個別相談を取り入れる
進路決定については、保護者の意向が影響することもありますが、高校受験は生徒本人の意見を尊重する家庭も多いです。
そのため、保護者のみならず生徒本人へのアプローチも重要になります。
特に、学生や保護者が日頃利用しているSNSでの生徒集客は今後大きなポイントになっていくでしょう。
まとめ
本記事では、高校の生徒募集に効果的な戦略や成功事例について解説しました。
少子化の進行により、高校も積極的な生徒募集を実施する必要があります。
高校の特色や強みを調査・分析し、他校にはない独自の魅力をアピールして生徒数の増加を図りましょう。
近年はインターネットの普及により、SNSやWeb広告などのオンラインを活用した募集戦略が有効です。
授業や部活などの学校生活の様子や進路情報など、受験する中学生や保護者の知りたい情報を発信すると、興味を持ってもらいやすく、生徒集客にも繋がります。
また、オープンスクールや学校説明会などのイベントを実施し、進路相談を行ったり在校生の声を届けたりすることで、入学後の学校生活をイメージしやすくなり、志望校の選択肢に入る可能性が高まるでしょう。
以上の内容を参考に、高校の生徒募集に効果的な戦略を考えてみてください。
